宮古6:35―(山田線)―6:56茂市7:01―(岩泉線)―7:53岩泉8:01―(岩泉線)―8:51茂市9:46―(快速リアス)―11:34盛岡12:50―(IGR線・花輪線)―15:36大館15:39―(奥羽本線)―17:27秋田18:00―(こまち30号)―22:08東京
おはようございます。ホテルの朝食は6時45分かららしいので、諦めてこっちに来ました。
↑宮古市内で見つけた建物。自民党・民主党・共産党って…。この人には政治信条がないというか節操がないというか。
なんだかんだいって、初Dで移動するのが乗りつぶしの基本なのだが、実はこれはファーストトレインでは無かったりする。だがしかし、駅前には明らかに同じ列車狙いの同業者が数名、うろついていた。
この列車は、茂市で岩泉行きの初Dに接続する。そう、今日の目的は岩泉線の乗りつぶしである。かつて「鉄子の旅」という漫画で横見裕彦氏が「東の横綱」と言う愛称をつけていた。ちなみに、西の横綱は「陰陽連絡を〜」に登場した木次線である。
どう横綱かというと、一日に三往復しかなくて周りが本当に山しかないという、究極のローカル線なのである。どれくらいやばいかというと、あまりの利用者の少なさに国鉄再建の時に廃止が検討され(第一次特定地方交通線)たが、「路線を廃止した時に、代わりとなる道路がない」という理由で廃止を免れたくらいである。
茂市までは、定番・キハ110。もう、憤りとかそういった感情も湧かなくなってきた。
さて、東の横綱には、さぞがしどんな古い車両が待っているのだろうか。一番線へレッツゴー(with同業者三人)!東の横綱が君を待っているぞ!
なんてこった……。
キハ110形普及し過ぎだろう……。
車内は同業者100%の状態で出発した。そもそもこの路線、普段利用している人が存在するのか怪しいくらいの状態なのだ。
「寝ない!」をコンセプトに始まった今回の旅行だが、そろそろ限界らしい。大体私は普段学校の授業を爆睡してるくらいの怠慢な人間なのだ。
起きたらなんと岩泉駅発車三分前であった。隣のボックスにいた同業者はスタンプを押してきたらしく、スタンプ帳を広げながら戻ってきた。そもそも、こんな超ローカル線の終点駅に駅員とスタンプが配備されているとは思わなかった。でもたぶん今から駅舎に向かったら、発車してしまうかもしれない。次の列車は夕方だ。私は泣く泣くあきらめた。
↑帰りに撮影。
十一月も後半、ここは北東北だ。当然のように雪が積もっていた。
列車は茂市に到着した。この列車は宮古まで戻るらしい。このまま宮古まで戻って、折り返してきても予定通りの列車に乗るのだが、そこは予定調和ってやつだ。降りよう。
余談だが、普通に東京駅から最初の新幹線で盛岡まで来て、山田線に乗って岩泉まで行くと、夕方まで列車がないので、何とその日のうちに東京に帰れない。というわけで宮古で前泊するのが正攻法と化している。
さて、茂市で降りたはいいが、何もない中一時間近い待ち時間がある。一応駅員はいるのだが……。
改札はしないんだそうだ。いや、お前、みどりの窓口もないから改札くらいしかすることないはずなのにそれすらしないってどういうことですか。
岩泉線にいっぱいいた同業者は、みんな宮古まで行ったようだ。その方が賢い選択だったのかもしれない。
あまりに暇なので外に出てみたが寒い。一時間近くストーブで暖まることにした。ココアうめえ。
快速リアスというあまりに安易すぎる名前の列車がやってきた。意外と客はいるらしい。まあ1ボックスに1人座っているくらいなのだが、こういうときほど気まずくて席に座りづらい。さて立っていようか。なんか車掌が来た。車内検札でもする気なのだろうか。
「危ないから、相席でいいから座っててくれ」
なんですと?
こう見えて普段は東京名物・超満員電車に乗って一時間立ちっぱなしでかれこれ四年通学してんだぞコラ。あなたとは違うんです。
…などと車掌に喧嘩を売っても仕方がないので相席しましょう。ていうか車掌って電車立ち乗りのプロだよな……。
座ってくれなどと要請されるとはなかなかほのぼのとした田舎だな。列車内ってのはもっとこう、殺伐としているべきではないだろうか(何)。
ふと携帯を開いてみると、あることに気が付く。電波が入ってない。田舎だからしかたねえな、つーかFOMAの電波状況の悪さは有名ではないか、などと構えていたがかれこれ30分以上つかない。JRの全駅で使えるようになりました!って言っていたような気がするんだけど駅に着いても電波が入る気配がない。あの何もない押角駅ですら電波が入ったような気がするんだけど…。
列車は盛岡に到着した。余談だが、国鉄時代は、「盛岡→花巻→釜石→宮古→盛岡」などという急行列車があったそうだ。
さて、接続予定の列車にはあと一時間もある。まずお土産を購入して(スポンサーのご機嫌をとるのは重要ですからね)、どうせ今日帰るんだから盛岡っぽい物を食べようと思い立った。
盛岡と言えば、ジャージャー麺とわんこそばと冷麺が思い浮かぶが、駅直結の商業施設にあるそれらの店はどれも満員みたいなので、仕方なく駅そばで妥協する。駅一階の「はやて」に入った。
食券機に、こういうメニューが置いてあった。
「岩手県産山菜そば」ふむふむ。その隣には「岩手県産三陸わかめそば」などというメニューもあったが、わかめそばなんて東京でも食べられるだろうということで山菜そばに決定。ポチっとな。
……、押した瞬間に、「ジャージャー麺」というメニューがあることに気がついた。もう遅い。店内がガラガラだったら払い戻しを申告すればいいような気がするけど、今は満員。たぶん払い戻してなんて言ったら多大な迷惑がかかることだろう。
更にもう一つ気がついたことがある。山菜嫌いなんだけど。
山菜特有の苦みと格闘していたらもう12時30分になっていた。
これから乗るのは「花輪線」というのだが、この路線は盛岡からではなく、盛岡から少し北に行った「好摩」という駅からである。そして、盛岡から好摩までの区間は、東北新幹線八戸延伸で東北本線が第三セクターに転換されてできた「IGRいわて銀河鉄道」に乗らないといけない。
元JRとは言え、IGRはJRの改札と離れた所に乗り場があり、花輪線もそこから発着する。JRからの乗り換え客はそこまで移動しないといけない。場所自体は例のそば屋の前なので別にかまわないのだが。
そこには、第三セクターらしく(?)かなり変わった自動販売機が置いてあった。
ドリンクバーっていうなら飲み放題にしろよ!!じゃなくて、売っているものがなんだかおかしい。
左から
「ブルーベリードリンク―岩手の果実シリーズ―」
「二戸市 王林・紅玉りんご」
「二戸市 JA北いわて りんごジュース」
「軽米町 さるなしドリンク」
「八幡平市 杜仲葉茶」
「盛岡市 玉山村そば茶」
「岩泉町 龍泉洞コーヒー」
要するに、地元の農産物や名産品を使った飲み物を販売しているらしい。一体どこから突っ込めばいいのだろうか。
「杜仲茶って90年代の遺品だろ」ってところか。「龍泉洞コーヒー」ってマジでなんだそれって突っ込めばいいのだろうか。
とりあえず、私は、一番得体の知れない「さるなしドリンク」とやらを購入。花輪線の中で飲むことにしよう。ところで「さるなし」って何だ?
青春18きっぷではIGRいわて銀河鉄道は乗れないが、三連休パスでは乗れる。青春18きっぷで花輪線に乗車する際は注意が必要だ。
列車が動いてから少し経過。ここは秋田と岩手の県境、たぶん奥羽山脈を越えているあたりだろう。
雪が、しんしんと、降り積もっています(小学3年生くらいの国語教科書より拝借) 。
いやあ、押角も少し雪があったけど、あれの比じゃないね。
そういえば、ここら辺は、大昔に都知事選に出馬して、政見放送で旅行記を読み上げて終了したことで知られる「三井理峯」なる老婆が、「十和田八幡平(とわだはちまんたい)後生掛温泉は実に最悪であった」等と公共の電波に流した温泉はここらへんだったかな。どう最悪なのかよくわからないが、彼女は被害妄想を伴う精神障害を抱えていたそうで、精神病患者を悪く言うつもりはないが、精神病患者の被害妄想のせいで公共の電波上にて中傷されたこの温泉は実に可哀想だなと思う。
雪景色に和んだところで、さるなしドリンクとやら飲んでみよう。山田線と違って電波が入るので、携帯でフリー百科事典・Wikipediaに接続してサルナシについて調べてみたが、載っていないらしい。なんてこった。ポケモンに出てくるモンスターの項目を全部つくってる暇があったら「さるなし」の項目を作りたまえ、ウィキペディアの編集者諸君。
結論から言うと「普通にあまい」。りんごジュースくらいのレベル。なんというか、もっと強烈な味を期待していたのだが。それこそダイエットドクターペッパー(注1) やルートビア(注2)のような。そんな強烈な味を、(恐らく)果実を搾ったであろう飲み物に期待する方が間違っているのでしょうか。
列車は大館に到着した。またハチ公がお出迎えだ。前回の旅行でどたばたしすぎて、実は田沢湖線(秋田新幹線の大曲から盛岡)に乗ってないってことが判明したので、これから秋田に向かおうと思う。
因縁の地(?)、秋田。外は大雪、流石は日本海側。
このまま普通にこまち号に乗れば、東京に帰れる。
直後の新幹線に乗っても良かったのだが、敢えて一本見送ることにする。
さて、これで東京に戻れば、JR6社の中では最長のJR東日本の路線も残りわずか。長野新幹線・軽井沢〜長野、八戸線、大湊線、津軽線。……ってそういえばあと一路線残ってるじゃないか!
ああ、この微妙な区間のためだけに後々振り回されそうな予感がする。