俺、この旅行が終わったら学校に行くんだ・・・九州編 六日目
2009年1月7日 JR九州完乗……したけど……

宮崎5:33―(日南線)―8:36志布志9:00−(日南線)―11:31南宮崎11:42―(日豊本線)―13:31延岡14:05―(にちりん16号)―15:06佐伯15:38―(日豊本線)―17:09大分17:14―(ソニック48)―18:34小倉

 早速ですがホテルでPCなんて借りるんじゃなかった……。気づいたら徹夜してるんだもの……。

 ホテルを出たのは午前五時過ぎ。ホテルは駅から離れた所にあって、意外と繁華街なのだが、それでも死んだように静かだ。

 JR九州線も残すところあと一路線。南宮崎駅から志布志(しぶし)駅までを結ぶ日南線だ。

デパート前停留所

 ←「デパート」って言ったら一つしかないんですな。

 さあ朝食を買おう。と言っても開いてるのはコンビニくらいだ。

 駅前のセブンイレブンに入り、さんざん悩んだ末、チキン南蛮ドックみたいなパンを購入。またチキン南蛮かよ!!ってツッコミはこの際ナシの方向で。あと、列車で寝ないようにブラックコーヒーも大量に買い込んだ。最後の一路線で寝てたら恥ずかしいもの。

 店員「jdふぇjふぁいじぇ;あい」

 Pardon?じゃなかった。今なんておっしゃいましたか。

 店員「えj雨fw@え9おkdsふぁ;j」

 ……?宮崎弁きつすぎて何言ってるかわけわかんねえぞ。あの知事が使うレベルまで宮崎弁レベルを落としてくれ。つまり「どげんかせんといかん」以外禁止な!

 店員ともめて店を出て時計を見た。

5:31

 え?列車が出るのは確か5:33。駅前のコンビニって言ったって駅前ロータリーが異常に広いから駅まで結構遠い。やばい!!!!ここで乗り過ごすと日南線のためだけに九州を再訪する羽目になる!!!!!!!!

 50メートル8秒台の俊足を最大限に活用して駅に駆け込む。ちなみに高校一年生の平均タイムは7秒台前半である。一二番線と三四番線が分かれている謎の改札を通り抜けたら、さあ行くぞ

「トゥルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル」

 ギリギリセーフ!

 暫くコーヒーとチキン南蛮をほおばっていたが、志布志まであと三時間以上かかる。そして、今は冬。日の出は相当遅い。いつも通学するときは、朝7時前に家を出るがその時になっても日の出していないことだってあるくらいだ。当然、真っ暗なわけでして。眠気との戦いは、人間側大敗北に終わった。

そういえば、こんな時間に列車を走らせて誰が乗るのだろう。こんな朝早く志布志まで向かう地元民がいると思えないし……周りは当然のように同業者だけであった。すげえ。


車掌「お客さーん、終点ですよ〜」

 幼稚園児のころによく流れていた、ハイサワーのCMを思い出させるセリフだが、マジでいわれた。俺のJR九州は、寝ているうちに幕を閉じた。




 恒例の記念撮影。三脚を立ててセルフタイマーをセットして……。

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志布志駅付近の観光名所

 昔トリビアの泉という番組でやっていたが、志布志市志布志町志布志には志布志市役所志布志市支所があるらしい。そしてここは、その「志布志市役所志布志支所」の「志布志」だ。だが、「志布志市役所志布志支所」は観光名所に含まれないらしい。もしも駅前にあるのなら30分近い折り返しの間に行こうかと思っていたが、年始のこんな時間に行っても誰もいないだろうしあきらめた。

 ここはかつて、日南線のほかに志布志線とか大隅線とか言った路線が乗り入れていて、交通の要衝だったらしいが……今では見る影もない。

家に帰るまでが遠足です!

 さて、何とかJR九州を完乗するという目的を果たしたわけだが、これからどうするか。いや、帰るしかないんですけど。

 問題は、ここから東京に戻るには相当大変だということだ。青春18きっぷで帰れれば理想だが、残念ながら今日一日分しかない。じゃあ、鈍行列車だけで今日中に帰れるのか。うん、それ無理。

 ※画像は「乗りつぶしオンライン」の乗りつぶしマップを加工して使用しています

 まず、ここにはほかの鉄道がないんだから、このまま宮崎までトンボ帰りだ。行きと全く同じ列車で。

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 どこまで行くといったって、この路線はいまや日豊本線としかつながってないのだからそっちに行くしかない。宮崎空港線?飛行機代4万円も払いたくありません。やっぱり正攻法で帰ります。でも青春18きっぷは今日までです。絶対東京まで一日じゃ帰れません。(以下無限に続く)

 結局どうするかというと、高速バスという鉄ヲタとして最後の手段を使用する。本当は寝台特急富士のお別れ(注・2009年3月廃止)と称して乗車したかったのだが、高速バスと比較して1万円も違う。「イギリスでは鉄道趣味というのは上流階級に属する紳士のたしなみであって、日本みたいに一般人に白い目で見られるようなものではない。だから鉄ヲタを白い目で見る日本人は間違っている」などと主張する人がよくいるが、裏を返せば英国貴族でもないとやってられない限り金がかかる、という意味でもある。鉄道模型なんてその最たるものですよね。私もかつては親にかなり無理を言ってNゲージを買い揃えさせて何万円使ったか……っていつの間にか話題がずれていた。

 寝台列車はどんどん廃止されているが、やっぱり最大の原因は遅いくせに高いからだろう。新幹線網が全国に発達した現在、わざわざ寝台特急でゆっくり移動するのは金を持っている鉄ヲタくらいなものだ。事実、大分から東京までだったら飛行機は論外として、特急+新幹線も寝台特急富士に乗るのも大して運賃差は変わらないというありさまである(寝台特急に乗ると遅いのは言うまでもない)。でも新幹線の乗り継ぎ割引みたいに割引制度をしっかり作れば生き残れたのではないかとも思う。寝台特急と新幹線+在来線特急の料金が大して変わらないのは、新幹線と在来線特急を乗り継ぐと在来線特急の特急料金が半分になるという制度のお陰だし。

 ともかく、私は一万円で乗れる夜行バスで帰ることにしたのだ。

 ところで、その夜行バスというのは、小倉駅を19時に出るのだが、実はそれでも普通列車だけでは間に合わない。

 日豊本線には「宗太郎越え」と呼ばれる、18きっぱーには超難関な区間が存在する。「宗太郎って誰?」。誰でも一度はそう思うだろう。実は宗太郎というのは駅名なのだ。つまり宗太郎越えというのは、文字通り宗太郎駅を越えることを指す。どうしてその区間なのか。

 宗太郎駅というのは大分と宮崎の県境付近、大きな駅で言うと佐伯(さいき)と延岡(のべおか)の間にあるのだが、その区間の普通列車は一日に三本ほどしかない。さらに、うち一本はどういうわけか宗太郎駅止まりなので、宗太郎駅を通り越して先に行く列車はさらに少ない。そういうわけで、18きっぱーにとっての超難関区間と呼ばれるようになったのである。

 南宮崎に舞い戻ってきた時点ですでに11時だった。日南線、長いぞ、長すぎる。

 日豊本線をひたすら北上するだけなので、全くつまらないのだが、初乗車がドリームにちりんで通過しただけだから外の景色を眺めながら時間を過ごす。ところで、もうそろそろ昼食をとりたい時間なのだが、南宮崎は10分乗換だし、延岡には何も期待できない。まあ、一食抜くくらいよくある手だよなと考えていた。

 延岡で、「さての佐伯まで乗車券特急券を買うか。いくらだっけな」といったことを考えながら降りるとそこには……。

駅そば

 そう、駅そばがあったのだ。当り前のことだと思われるかもしれないが、私の経験上、「どこにでも、あると思うな、コンビニ・そば(字余り)」なのだ。「特急の止まる駅ならどんな田舎でも駅員と駅そばくらいはある」と思っていた時期が私にもありましたよ。でも、夏の山陰旅行で完全に考えが変わった。山陰地方って全く駅そばないんだな。

 もう二時を回っていたが、そこで昼食をとることにした。

 普通の駅そばだし「かけそば」でいいかな、勿体ないしと思っていた矢先、私の常識では考えられないものを見つけた。

「かしわそば・うどん」

 説明しよう(前も説明した気がするけど)。「かしわ」というのは鶏肉のことで、北九州では鶏肉の入ったそば・うどんのことをかしわそばと呼ぶそうだ。他にも折尾駅等の「かしわめし」という名物駅弁・及びその販売業者にその名をとどめるが……。しかし、ここはいつから北九州になったんだ?どのみち、東京では見かけないものだから、食べてみたい。ここは北九州じゃねえだろとかどうしてここで売ってるんだよなんてことは気にしてはいけない。

 実は、九州に来るのは三回目だが、一度もかしわそばを食べたことないんですよね。かしわめしは食べたことあるけど。(「ちょっと福岡行ってくる 四日目」参照)

 食べてみた。うん。鶏肉だ(それ以外の感想はないのか)。

 延岡から佐伯まで特急券と乗車券合わせて1900円なり。さっきも書いたけどほんとに普通列車が来ない。

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 これが宗太郎越えじゃあああああ(写真左側)

 列車が一時間に一本、これなら十分じゃないかと思われるかもしれないが、赤い文字で書かれた列車はすべて特急電車である。そう、ほとんどが特急なのだ。一時間に一本列車があれば多いと思えるようになった自分の感覚を疑うべきかもしれないが。

 特急が来た。にちりん16号、色は真赤なあいつだ(って言われてもわからんか…)。ここは本当に日本なのかって言うくらいの派手な列車なのだが、残念なことに写真は撮っていない。無念。

 このまま大分まで乗りたいところだが、旅費削減のために、宗太郎を越えた先の佐伯で一度降りる。どうせ大分からまた特急に乗るんだからずっと特急でもいい気がしてきたが、やはりここで降りた方が安い。

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 大分まで乗る列車は、JR九州らしい、斬新なデザインの車両なのだが、ロングシート。しかし、革張りのロングシート。すごくハイグレードな感じがするけど、でも、興ざめだ。幹線とは言え普通列車なんだし、ロングシートで乗客を詰め込む必要性を感じないのだが。

 ちなみに、この列車の行き先は「中山香」というらしい。人名かよって思ったら「なかやまが」と読むらしい。普通読めんわ。「飯山満」(「いいやまみつる」かと思ったら「はさま」)くらいの読みづらさだ。ごもっとも、中山香駅というのは大分のさらに先にあるので、別にそこまでいかないからあまり関係ないのだが。

 大分で降りると、乗り換え時間は五分。さあ、どこのホームだろう。急いで改札に向かって確認する。地下通路には一応エスカレーターがついているが…キャリーバックがでかすぎて辛い。

「3番線」

 とのことなので、三番線にむか…ってこれどう見てもさっき降りたホームじゃないか。何やってんだよ。佐世保駅のデジャブ。

 必要な切符は車内で車掌から購入し、小倉まで乗車。何のための青春18きっぷなのかよくわからなくなってきたが、小倉駅から出るバスは19時発車なんだから仕方ない。

 大分からはあの「ソニック」と言えばこいつ、青いシャープな形の883系である(またもや写真なし)。

 別府を発車したら、横に寝台特急富士が走っていた。もうすぐなくなるんだよな、ああ、金があれば…。一万円追加で払ってでも乗るべきだったかもしれないが、ぶっちゃけると、この計画を立てていて富士に乗ろうと思い立った時には、既に富士が満席だった。だからそもそも乗れなかったのだ。

 小倉駅での集合場所は、「小倉駅前の何とかビル前」だそうだ。流石はツアーバス、集合場所がいい加減だぜ。しかも、降りるところは「新宿駅付近」。やっぱりツアーバスっぽい。最安値は、8000円だったのだが、行程が完成したのが12月31日、出発の二日前という体たらくで、席が取れなかった。よって11500円もするバスになったのだ。

 小倉駅の駅そばで、駅そばにしては珍しい「ラーメン」を注文して(小倉だけど博多ラーメンが出てきた)、その小倉駅前なんとかビルに向かうと……旅行者風の不審者が十人ほど集っていた。怪し過ぎるんだけどこのビルの管理者には許可を取ってるんだろうか?

 バスターミナルからはじき出されてこんなところに止まっているんだから、どこにバスが止まるんだろうと思っていたら、普通に近くの路上に停車した。流石ツアーバスだぜ

 「このバスは途中、下関駅前に停車いたします」

 そうかそうか、つまりキミはそういうバスだったのか。

 途中、小谷(こだに)サービスエリアというところで、何故か当時関東限定(※ただし神奈川県を除く)だったはずのマックスコーヒーのペットボトル入りを発見して、興奮したので購入。

 ああ、明日はもう東京か……。

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