俺、この旅行が終わったら学校に行くんだ…九州編 五日目
2009年1月6日 南九州をどげんかせんといかん

博多22:52―(ドリームにちりん)―6:37南宮崎7:44―(宮崎空港線)―7:50宮崎空港8:30―(宮崎空港線)―8:33南宮崎8:44―(日豊本線)―11:27鹿児島中央12:26―(鹿児島本線)―13:13川内13:22―(鹿児島本線)―14:06鹿児島中央14:56―(肥薩線・吉都線)―18:48都城18:52―(日豊本線)―19:57宮崎

 サブタイトルの元ネタは言わずもがなだが、今日は東国原知事のおひざ元に到着だ。数年前の鉄研夏合宿では、「小倉→大分→熊本→(肥薩線)→鹿児島→(新幹線)→新八代→鳥栖→長崎→博多」という感じなので、全く宮崎県を通過していない、つまり宮崎県は初めて。

 …と、思うだろ?違うんだな。実は、肥薩線(八代〜隼人)は、真幸駅だけが宮崎県に所属しているので、実はカスっているのだ。実にどうでもいいけど。

 どうしてハイパーサルーン(ドリームにちりん)の写真を撮り忘れたのかわからないが、宮崎空港線には、例の本革転換クロスがやってきた。こんな盲腸線にもグレードの高い車両を使ってくれているらしい。感動した。

 車内で起こったことをありのままに話すと、

 列車が当初と反対方向に進んでいた上に、起きたら他の乗客全員が違う方向に席を向けていた。何が起こったのか全く理解できなかったが、そういえば小倉で方向転換するんでしたね。

 この列車は初電(今回はちゃんと電車だ)だ。そして、なぜか進行方向と真逆になっている転換クロスシート。空港行きのはずなのに、見渡せば同業者しかいない車内。

 南宮崎から宮崎空港までは、実は日南線という路線も経由する。南宮崎から志布志までの超ローカル線だが、宮崎空港線のためだけに二駅だけ電化。地元・宮崎の旭化成が要望したら新しく鉄道ができちゃったって言うんだから怖い。イヒ!

 電車が似合わないほどのどかな日南線の駅に止まりつつ、終点宮崎空港に到着。

 さて、方向幕の写真を撮るか…


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ん?失敗したか、じゃあもう一回。



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ん?またかよ


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 ああ、もう諦めよう。

 こんな早い時間に駅員はいなかった。地方ではよくあること。

 さて、宮崎空港という名前なんだし、どれくらい宮崎空港に近いのかなと思って駅を出ると、宮崎空港のターミナルの目の前だった。ほんとに近い。花巻空港までかなり遠いのに交通機関がない花巻空港駅とかいう事例もあるのに。

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 折り返しまであと40分あるし、空港の中を探検しよう。

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 ところで、18きっぷは明日までしか使えない。明日は日南線に乗って志布志まで行くという、絶対東京に一日じゃ帰れない日程なので、いっそのこと宮崎空港から東京に帰るというのも考えた。が、飛行機代が4万円という圧倒的な高さの前に、その考えははるかリオデジャネイロまで飛んでいったのだ。

 昔はよく、帰郷という名目で飛行機に乗ったものだが、私の鉄道趣味が昂じてからは、どうしても電車で行くようになってしまい、最後に飛行機に乗ったのは中1の時だ。

 しかし、結局わかったことは羽田空港に比べて狭すぎる!(明らかに比較対象が間違っている)

 あまり見るものもないので駅にさっさと戻ると、駅員がいた。とりあえずスタンプを押す。そして同業者じゃない人がいたけど、まだ始発の飛行機は到着してないはず。なんだこの人は?

 本当に暇なので、駅に置いてあったタウンワークを開くと…

「急募!コンビニ店員 時給630円!」

 やっっすぅぅぅぅ!東京なら800円はつく。最低賃金は一体いくら何だこの県は。

 さて、そのまま、宮崎空港に戻り、今日はどこを目指すかというとまずそのまま西へ。

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 日豊本線という名前だけど鹿児島までつながっている。今日は、更に突き抜けて鹿児島本線(鹿児島中央―川内間)を目指す。

 川内駅を正しく読める人が全国でどれくらいいるんだろうか。「かわうち」でも「かわち」でもない。「かわ」は音読みで、「内」に至っては訛っている。さらにどっかの都市と読み方がかぶっている。答えは「せんだい」である

 日豊本線は鹿児島までだが、この列車は隣の鹿児島中央駅まで行く。新幹線が開通したのを機に改称したものだが、その前は「西鹿児島駅」だった。「西」なのにこっちの方が栄えている。さらに言えば、昔寝台特急がたくさん走っていたころも、西鹿児島止まりの列車がたくさん存在した。どうして西の方が栄えてるのかは全くの謎である。

 さて、この路線は途中の隼人まで未乗だった気がするが…寝る。大体路線の大部分を夜行列車で制覇した時点でもう景色がどうとかいうこともないのだ。

 寝てる間にそろそろ鹿児島中央だ。俺三時間も寝てたのかと嘆きながら、鹿児島中央で降りる。昼食の時間だ。駅構内に駅そばは見当たらないし、どうしよう。二年前の夏合宿で行ったラーメン屋に行こうと思ったが、駅からの道を忘れてしまったので、途方に暮れてしまった。

 仕方なく駅構内を彷徨っていると、新幹線改札の中に駅そばがあるのが見えたが、入場券の代金をぼったくろうとする意志が透けて見えたので、行かないことにした。

 すると、駅構内に定食屋が存在した。「中華」。おお、ラーメンが食えるじゃないか。万歳万歳。

 中に入る。ああ、東京より物価が安い。感激だ。田舎万歳。その代り最低賃金が「あべし!」とか「ひでぶ!」とか叫びたくなるような金額なんだけど。

 あまりに安いので、ラーメンと餃子とチャーハンが全部付いたセットを購入してしまった!気づけば残り30分。メニューが出るのが遅かった場合、次の列車に乗れない可能性が出てくる。あああああああああああああああああz

 ああじれったい。ラーメンは恐らく一瞬で出来るが、そのほかのメニューがなあああああああああああ・・・・!!

 やっと来た。すごい勢いで掻きこむ。やばい。これは宇宙存亡の危機だ!とばかりに自分をあおりながら、色々食べ終わると…

 ああ、人間ってやろうと思えばラーメンとチャーハンと餃子5個くらいを10分で食べ終わるんですね……。

 非常に時間が余ったが、乗り過ごしては困るので早めにホームに。

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 列車はまた、例の本革転クロ君だった。鹿児島のへき地までこういう豪華な車両を導入するとはなかなかやる!九州新幹線開業に伴ってJRから分離されてディーゼルカーが走るようになった肥薩おれんじ鉄道との差がやばいぜ!

 鹿児島本線は小倉から八代までと、川内から鹿児島までの区間に分断されている。さっきも書いたように、残りの区間は九州新幹線開業に伴ってJRから経営分離されて肥薩おれんじ鉄道という第三セクターになったのだ。そして、もともとこの路線は全線電化だったので、当然肥薩おれんじ鉄道の区間にも架線はあるのだが、「維持費がもったいない」ので非電化になり、今ではその架線を使うのは貨物列車だけなんだそうだ。もったいねえ。大体何で八代から鹿児島までという中途半端な区間で先行開業したんだろうか?古賀誠駅こと筑後船小屋駅のため?

(※筑後舟小屋駅…九州新幹線が博多から新八代まで開業した時に作られる予定の駅なのだが、船小屋駅というのが特急も止まらない無人駅だったので、選挙区が近い古賀誠なる自民党の議員が我田引鉄したのではないかと言われ、あだ名がその名も古賀誠駅になった、らしい。)

 鉄道と政治家の黒い関係について熱く語ってたらキリがないのでそろそろ本筋に戻ろう。

 鉄研の旅行では確か鹿児島から長崎まで新幹線とリレーつばめを使ってワープしたので、この区間が残ったわけだ。鹿児島中央と川内って誰がどう見ても新幹線と並行しているように見えるのだが、ここは分離しなかったのでこういう面倒なことになったのだ。たぶんこの区間はもうかるんだろうけど、儲かる区間だけ自社線から外されたらおれんじ鉄道経営が危なくなるってことも考えてやれよ、JR九州さんよ。

 川内から、肥薩おれんじ鉄道の経営を助けに行く意味で乗りに行ってもいいのだが、もうそっちの方に未乗路線は残っていない。東に向かうだけだ。

 そのまま日豊本線で東に向かって宮崎…と言いたいが、ちょっと違う。え?乗った列車は都城(みやこのじょう)行きだろ、都城って言ったら日豊本線にあるんだろ?って突っ込みが来そうだが。チッチッチ違うんだな。その証拠に日豊本線は電化しているはずなのにこの列車はキハ、つまりディーゼルカーだ。

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 実はこういう列車なのだ(左写真参照)。吉松というのは日豊本線ではなく吉都線と肥薩線の駅である。で、吉都線というのは松から城まで…ってなんだか説明がループしている気がする。

 とにかく、この列車は隼人駅から内陸の肥薩線に入って吉松から吉都線に入って都城まで行く列車なのだ。そういえば肥薩線は戦前の鹿児島本線、吉都線は戦前の日豊本線だったらしいがそれと関係ありそうだ。ただ、どっち道この列車を乗りとおすのは同業者だけだろう。考えなくてもわかる。乗り鉄御用達だ。

 肥薩線には既に乗ったことがあるのだが、吉都線を往復するだけというのも大変なのでこのルートで行くことにした。列車は肥薩線との分岐駅・隼人に到着した。

 「この列車は、16時12分に発車いたします。発車まで29分程お待ちください。」

 パードゥン?いや、車掌は日本人なんだろうし日本語で聞き返そう、今何とおっしゃいましたか?

 時刻表を読むと、確かに「隼人駅到着 15時43分 発車 16時12分」とある。何でそんなに待たせるのかね。

 しょうがないからスタンプを押してきたり冬休みの宿題(読書)しながら30分過ごす。よく考えたら昨日も同じようなことがあったよな。

 列車は山の中を突き進む。同業者の間では大畑(おこば)・矢岳・真幸(まさき)の三駅は国鉄三大車窓のひとつとして有名だが、吉松駅は真幸駅のひとつ手前、つまり三大車窓をギリギリ拝まずに吉都線に突入する。なんだかなあ・・・。

 きっと千に突入するころには、もう外は暗かった。吉都線の思い出なんて特にないまま終点・都城に到着。

 今日はどこに泊まるかというと、宮崎地鶏の営業マン知事の麓・宮崎(そらそうだ)。

あの知事が必死に宣伝してたわりに宮崎県で食べておくべき名物がわからん

 そのまんま東が突然宮崎県知事になるんだって言って芸能界を引退したのは2006年の頭だったか。それから三年。確か就任当初、マンゴーと地鶏の宣伝をひたすらしていたような気がするが、はてさて宮崎県の名物ってなんだっけ。

 外で食べられそうなのは…あれなんだっけ。

 時刻はもう20時。東京なら夕食をとるのに十分すぎる時間だが、宮崎では既に開いている店の方が少ない。何せバイトの賃金が630円だ。必然的にこの時間でも開いてる駅構内の店ということになる。駅前でもやってる店を探すのは大変そうだし。

 宮崎駅はどういうわけだか駅のど真ん中を通路が貫通していて、一番線・二番線と三番線・四番線の改札が完全に分かれていたりする。ここは地下鉄銀座線の駅じゃねえんだから。仮にも県の代表駅だろここ。隣の南宮崎の方が大きい気がするけど。

 駅構内を放浪していると一軒の古本屋に出会った。なぜこんなところに…などと書いていくと食料にありつけるまで五行くらい使いそうだから飛ばす。

 そこには「宮崎名物!チキン南蛮定食」「ご飯おかわり自由」と書かれた店があった。えっと宮崎の名物だったのか、これ。それはそうとして、旅行中は朝昼にはなるべく金をかけず、夕食に金をつぎ込む主義のわたくしは、この600円程度の夕食に感動を覚えたのだ。さすが地方、東京だったら1000円くらいとりそうなものが安い。

 最早チキン1きれ食べるごとにご飯のおかわりを頼もうかと思ったが、思った以上に店員がいないので頼みづらい。結局一杯しかお替りせずに帰った。まあ、お代わり自由の店ではよくあることですよね・・・。


 ホテルまでは徒歩15分と来た。なんだか遠い。

 確か「ホテルグランディ宮崎」って名前じゃなかったか……。携帯電話でGoogleにつないでG-mailを見ると確かにそういう名前だ。そして手元にそういう地図もある。でも、目の前の駅の地図を見るとなんだか違った名前が刻まれてるんですよ!いくら県都とはいえ、駅から15分も歩いたところにホテルが乱立してるとも思えないし……。つべこべ言わずに歩くことにした。途中一回曲がるだけだから道に迷うことはないだろう。

 宮崎なのに山形屋か・・・って山形屋は鹿児島県の店じゃなかったのかとか考えながら歩いていたらホテルに到着した。

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 え…?何この洋館。

 四千円以内で泊まれる宿にしたはずなんだけど……。仙台で止まったあのホテルとは大違いだ。


 明日は日南線に乗車し、見事JR九州完乗の予定だ。当然始発だ。

 ところで、このホテルはノートパソコンの貸出サービスをしているらしい。ちょっくらブログ更新のために借りるか。

おまけ

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宮崎では民放が二局しかないから、チャンネルを変えるときは「反対にして」っていえば通じると聞いたことがあるが……これは確かにどげんかせんといかんなあ。
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