俺、この旅行終わったら、学校行くんだ…九州編 四日目
2009年1月5日 長崎は今日も…いや、晴れてたな

博多5:16―(鹿児島本線)―5:56鳥栖6:10―(長崎本線)―6:35佐賀6:44―(唐津線)―7:58西唐津8:17―(唐津線・筑肥線)―9:13伊万里9:45―(松浦鉄道西九州線)―10:12有田10:20―(佐世保線)―10:55肥前山口11:18―(佐世保線)―12:11早岐12:28―(佐世保線)―12:40佐世保12:45―(大村線・長崎本線)―15:13長崎15:35―(長崎本線)―18:38鳥栖18:56―(鹿児島本線)―19:48博多

 ホテルのロビーに置いてあった、「取締役・島耕作」を読んでいたら朝になっていた。何を言っているのかわからないとは思うが。

 要するに徹夜してしまったのだ。ああ、人はこれを「死亡フラグ」って言うんだよね。(※「死亡フラグ」…戦闘ものの映画で「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ」と言ったらそいつは直後に死亡する、みたいなお決まりの死亡しそうなパターンのこと。)

 どうしてここまで極端なまでに二回前の旅行での教訓を無視するのか。自分にもわからない。

 

朝食券

 出発する時間には大抵朝食は出ないから困る。マジでマンガ喫茶と大して変わらないような使い方してるな・・・。

 博多の駅から、鹿児島本線に乗る。この列車で寝過ごすとはるばる熊本県まで送られる。寝れない。

 鳥栖というのは、鹿児島本線と長崎本線の分岐点として、同業者の人たちの間には常識として覚えておくべき駅になっている。九州新幹線も、鹿児島ルートと長崎ルートの分岐点は新鳥栖駅というところになっているらしいし。

 鹿児島本線が佐賀を通っているとは一般的には考えられないが、「サガン鳥栖」というチームがあるんだから鳥栖は佐賀県なのである。まるで東北本線の古河駅(茨城県)みたいだな…。

 向かうは佐賀。唐津線に乗り換えて金持神社に参拝するためだ(嘘)。

 JR九州の車両は外装も内装もかなり独特だ。デザインに金かけてる暇があったら経営状態を何とかしろと言いたいが、特急列車だけでなく普通列車もかなり独特だ。

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 昨日、唐津駅で撮影した唐津線だが、普通列車でさえこんあなド派手なのだ。特急は・・・「ソニック号」や「つばめ号」(在来線の頃のね)や「ゆふいんの森」に代表されるあの車両である。

 なぜかこの列車は、佐賀駅で三十分くらい通過待ちをするらしいが、唐津線の接続は到着してすぐなので、急ぐ。さっき写真を貼った黄色い奴が来た。

 側面の英語は何が書いてあるかって言うと「黄色のワンマンディーゼルカー JR九州」程度の意味しかないんだよね。なんですかこれ。

 カーテンがついている。首都圏の通勤電車にありがちな、上から下りてくるやつじゃなくて、ちゃんと横からしめるやつが。普通列車でここまでやるとは……。こんなところに金をかけられるんだから、政府の100%出資からさっさと脱却できるんじゃないだろうか。ある意味税金の無駄遣い。

 西唐津にはちゃんと駅員がいたが…スタンプはないらしい。残念。無念。また来年(※来年は来ないだろうしたぶん来年来ても置いてない)。

 これから乗るのは、筑肥線。昨日も書いたが何故か分断されているほうの西側である。今度はボロいのが来た。筑豊本線と同じ塗装のあいつだ。たまにこいつと黄色いのが一緒につながっている編成があるけどあれは何なんだ(さっきの左側の写真の左側参照)

 で、気がついたら終点の、伊万里にいた。どうやら寝てたらしい。やっぱり死亡フラグだな。

 伊万里からは、松浦鉄道西九州線というのに乗る。ここは昔、国鉄松浦線という路線だったのを第三セクター化して出来た路線である。と、言うわけで、ホームが隣だったり線路がつながっていてもいいはずなのだが……。

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 なぜか左側が松浦鉄道、右側がJR、という風に駅舎が分かれていた。しかも、二つの駅舎は道路をまたいでいるが、この間には横断歩道はない。つまり、JRから松浦鉄道に乗り換えるときは、二階に上がって通路を通って乗り換えろってことらしいが……、こっちはキャリーバックを持っているので、上りでエレベーターを使い、下りでもエレベーターを使い…と、非常に面倒だ。しかも、外を通るから、寒い寒い。いくら佐賀県でも1月の風は寒い。

 何を考えてわざわざ乗り換えが不便な構造にしたのだろう。国鉄時代は同じ駅舎を共有してたわけだし。こんなことしてるから赤字に転落するんだよ、全く。

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 JRの伊万里駅は向かい側の東ビルです。エレベーター・階段をご利用ください」(松浦鉄道側のビルからJR側のビルを眺める)

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無駄にシンメトリー構造。左写真:松浦鉄道伊万里駅 右写真:JR伊万里駅


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 駅で待っている客を見ると、爺さん婆さんしかいない。ローカル線の典型的な光景だ。いや、同業者が見当たらないから典型的なというよりは日常的な光景か。

 これが目的の列車らしい。ここ伊万里は伊万里焼で有名だが、終点の有田は有田焼の有田である。こんなに近いのに、どう違うのかと思ったらどうやら同じものらしい。ナンデスカソレハ。

 佐世保線乗り残し防止のため、一度長崎本線と佐世保線の乗り換え駅・肥前山口まで戻った後、一路佐世保を目指す。この列車は、早岐(はいき)までしか行かない。

 この車両(817系、ああもちろん左側の写真に映ってるやつじゃないよ?)は、実は博多から鳥栖まで乗った車両でもあるのだが、それについて全く説明していなかった。

 前面が真っ黒で側面は真白というとても斬新なデザイン。普通列車専用で(現在青春18きっぷを使用中なんだから当然だ)、転換クロスシートが使われている。京阪神や中京圏で転換クロスシートが多いのは、JRと私鉄がしのぎを削っているからなのだが、ここは純粋にサービス。博多から長崎まで結んでるような私鉄は存在しない(いや、ひょっとして鹿児島本線の博多から大牟田まで並走している西鉄を意識してるのかもしれないが。)

 しかも、ただの転換クロスではないのだ。背もたれの部分には木を使用し、座面には本革が使われている。普通列車でこんなに快適な普通列車が他にあろうか。

 

 列車は早岐に到着した。どうせまた戻ってくるので感傷もくそもないが、そろそろ昼食の時間だ。

 駅構内にあった、ミニ・コンビというやる気を感じさせない名前の店で弁当を購入する。ああ、駅そばとかないのか、この駅は。というか、今のところ、この旅行中に駅そばにありつけた回数はゼロだ。一度くらいは食べさせろ、九州旅客鉄道株式会社さんよ。

 さて、早岐から乗る佐世保行きは大村線からの直通で、やたら混雑していた。やれやれ、佐世保での折り返し列車に期待するか。弁当あっためちゃったんだけどね、冷めないか心配だ。

 佐世保まではあっという間に到着。

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 この列車は折り返してどこへ行くのかは知らないが、結構たくさんの人が並んでいた。

 さて、乗り換えはどこだ…、とりあえず1番線のホームから階段を下りて、通路に出たら…

「1番線12:45 普通・長崎(長与経由)」

 えっと、次乗る列車は確か……。うん、間違いない。今乗ってきた列車が折り返して次乗る列車になるんだ。やらかした。昼飯どうしよう。

 あわてて戻ってみるも、列車は立ち客が出るほどの混雑であった。チクショー!

 ちなみに、車両に「シーサイドライナー」と書いてあるが、これは快速シーサイドライナーではなく普通列車である。

 なんだかんだで諫早駅で座れたけどね。

 

なにかがおかしい

 非常にゆっくり弁当を食していた。

 普通に食べ終わった。さて、寝るか。

 グンモーニンあれ・・・この列車、いつになったら出発するの?

 いつぞやの、「何回寝ても起きても広島駅だった」に似たようなデジャブだ。時刻表を開いてみよう。

早岐12:57
13:21

 ……。この列車、同じ駅で25分も停車しているらしい。何でやねん。もしもハウステンボスに行きたい客がいたらどうすんの(わざわざ佐世保から列車に乗ってハウステンボスに行く客がいるとは思えないが…)。

 到着してから24分後、ようやく発車してハウステンボス駅に到着。あれがハウステンボスかーなどと感傷に浸ろうとしたが、どれがハウステンボス名のかさっぱりわからない。

 次の南風崎(はえのさき)は、終戦直後、戦地から引き揚げてきた復員者の船がここの近くの港に来たため、ここの駅から東京駅までの臨時普通列車が走っていたらしいが、当時のにぎわいをしのばせる気配は全くない。ただの田舎駅になり下がっている。

 次の…と言いたいが、そのまま寝てた。

 この列車は長崎まで、長与経由で行く。長崎本線には諫早から長崎までの間(正確には喜々津から浦上)に線路が二つある。全国各地にそういう事例があるが、元々線路があったのに高速化のために線路を付け替えたたが、元の線路も残したので二つあるというパターンである。で、この長与経由は、いわゆる旧線で、特急はおろか普通列車もほとんど来ない。なぜなら、新線は電化してあるのにここは非電化のままだからだ。

 私は一年半前、鉄研の合宿で九州にやってきて、その時に長崎にも来たが、行きも帰りも新線経由だった。つまり、この区間も未乗だったわけだが……起きたのは浦上に着いてからであった。なーにやってんだか……。

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 乗ってきた列車と、これから乗る列車の競演だ。長崎から鳥栖までずっと817系に乗っていられるらしい。この車両が長崎まで乗り入れてるとは思わなかったが。万歳。たっぷり眠れるぞ!(おい)

 転換クロス。本革シート。木の背もたれ。ああ。九州に暮らせばこの車両に乗り放題なんだよな……、移住しようかなと以前、そう考えていたのだが、長崎電気軌道で「長崎労働監督署からのお知らせです。長崎県の最低賃金は598円です。労働基準法を順守し適正な給与を支払いましょう。」という放送を聞いて以来、九州に移住する気はなくなった。東京だと同じ仕事で時給800円くらいだろうに…。

 長崎本線をずっと直通する普通列車はたぶんこれだけだ。他の時間帯だと、「便利で快適な特急電車をご利用ください」と言わんばかりのダイヤで、18きっぱーに全くやさしくない。途中の中途半端な駅で運転が終了し、そのあとすぐに特急がやってきて、ここから先の普通列車は当分先で、特急に乗らないと先に進めないなどなど。

 本革シートでぐっすり眠る。博多で何をしようかと考えながら……。

博多に来たからって…

 本日の宿は「特急・ドリームにちりん」号と確定している。この列車は、博多を夜に出発し、宮崎空港に翌朝に到着するという、要するに九州島内で完結する唯一の夜行列車である。運賃特急料金合わせて7000円超なり。ムーンライトなんとかとして快速列車に格下げしろ!だいぶ高いような気がするが、日豊本線のほとんどが未乗だから夜行バスは使えないし、妥協すべきところだろう。

 ドリームにちりんの発車時刻は22時36分。後三時間弱ある。本当に暇だ。

 まずは、昨日食べれず残念無念また来年状態に陥った博多ラーメンを食べに行く。だが、よく考えよう。どこの店に行けばいいのか。わからない。

 携帯でどう調べたら店が出てくるのかなんてわからない。大体野郎ひとりで入れる店なんて一つしか思い浮かばない。よし、一蘭に行こう!春にも来た上に東京でも店を出しているれっきとしたチェーン店だけど!

 一蘭はどういうシステムかというと、カウンターが一人ずつ仕切られていて、アンケート用紙みたいなのにスープの濃さや麺の固さを書いて注文するという独特なシステムをとっていて、店員の顔を見なくても済むように、カウンターと厨房の間に暖簾がかかっている。私のようにひとりで旅行している一般的に見てかわいそうな人にも優しい。ああ、そういえば、春に比べて値上げしてるような気がするんですけど…。

 時間はたっぷりあるのに、博多駅の地下で夕食などと横着なことをしたため、かなり時間が余ってしまった。博多口のブックオフで10年くらい前に出たゲーム攻略本を購入したり、閉店間際の紀伊国屋をひやかしたり、ゲームセンターで太鼓の達人をして遊んだり、マクドナルドのコンセント(たぶんノートパソコン用)で携帯電話の充電をしたりと、とても旅行と思えないようなことを時間を潰す。

 さて時間が来た。

 これは夜行列車で特急ではあるが、寝台列車ではない。そこのところをわかってるのか、わかってないのか、何で小学校に上がってるかどうかってくらいの子を連れている客がいるんだろう……。

 ちなみに「にちりん」は昼間にも走っているが、その特急は国鉄時代の車両をこれまたド派手に塗装したものであるが、この列車は「ハイパーサルーン」と呼ばれる車両であった。流線型でなかなかかっこいいのだが、特急列車のくせに車両の真ん中にドアとデッキを配置しているというとても斬新なデザインのせいで、現場としてはとても使いづらいんだろうなぁというのは容易に想像できる。

 ああ、なぜ写真が残っていないのだ。

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