ちょっとJR完乗してくる・最終章 五日目
 2009年3月24日 北海道の恐ろしさの真髄

おはようございます。腐りかけた朝です。時刻は6時…ってもういい加減こういう始まり方やめようや。

札幌6:41―(札沼線)―7:25石狩当別7:51―(札沼線)―9:28新十津川―(徒歩)―滝川11:53―(函館本線)―12:12深川13:23―(留萌本線)―14:46増毛15:48―(留萌本線)―17:13深川17:32―(スーパーカムイ37号)―17:50旭川18:34―(富良野線)―19:48富良野20:38―(根室本線)―21:34滝川21:40―(函館本線)―22:22岩見沢22:32―(函館本線)―23:14札幌

 チサンインホテルとかいうホテルに泊まってるわけだが、雑居ビルの六階から十階がホテルって怪しすぎるだろ…しかも隣に「チサンホテル」という、似て非なるものがあるし…。紛らわしいにもほどがある。 札幌駅徒歩5分なんて書いてあるけど地下街を経由したら普通に15分かかる始末。

 札幌駅は無駄にでかいのでどこのホームから何が出るのかよくわからない(「主に」函館本線小樽方面、とか)という素晴らしい欠点を抱えているのだが、札沼線のホームだけは固定しているらしい。

 ディーゼルカーで一体何両つないでるのかよくわからないが、結構つながれているのに、それでも結構混んでいる。石狩当別まで電化したほうがいんじゃねえの?

 「あいの里教育大駅」とかいう「どこにあるんだそのFラン大学」とか思ったら北海道教育大学札幌のことだったという駅で学生が大量に降りて行った。ちなみに「〜教育大学駅」じゃなくて「〜教育大駅」というのがみそ。

 石狩当別を境に列車が激減し、北海道版Suicaことkitacaも使えなくなるわけだが、隣の北海道医療大学駅の利用者(どうみても北海道医療大の学生)はどうするんだろうね。ちなみに今調べたところ北海道「医療」大学という割に医学部はないらしい。

 石狩当別で朝飯を調達しようとキオスクに近づくと……、近づいた途端におにぎりを並べ始めた。なんだそれ。なんだそれとか思ったので購入(ぇ)。

 待合室でまったりしていたところ、世界のナベアツに酷似した駅員が「新十津川まで行かれますか?いさっき札幌から来た列車の一番前の車両が新十津川行きになりますよ」と。何を言ってるのかよくわからなかったがホームに行ってみると、さっきの札幌行きが一両編成になって待っていた。そして車内には、やっぱり同業者がいた。

 一両編成で立ち客がでるほど混雑しはじめたため、JR北海道は需要を見誤ったのかそれともJR東海みたいにわざと短編成化してるのかと悩み始めたが、結局隣の「北海道医療大学駅」で降りて行った。大学生多すぎ。ちなみに繰り返すが、「北海道医療大学」なのに医学部はないらしい。

 新十津川までぐっすり眠るという失態を犯したわけだが気にせず。何せこれから死のウォーキングが始まるのだから。

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 駅には親切にも無人駅なのに、「滝川駅までの歩き方」などという地図が貼ってあった。それによると…「滝川駅まで4.2キロ」…さてLet's go walking

 5分ほど歩いたところに、「新十津川町役場」なるバス停があった。確か新十津川の町役場から滝川駅までバスがあったけど、事前にネットで調べた結果は「しばらくバスが来ないから無理」だったような気がする。

 念のため時刻を見ると…「9時52分」…お、ちょうどいい時間に来るじゃねえかと思ったので目の前のサンクスに入る。行き先が「滝川ターミナル」と書いてあって実は駅前じゃないんじゃねと思ったからである。

 ガラナを買って(またか)、店員に道を聞こうとすると…ネームプレートを見て一瞬ためらった。

 なぜならその店員の名前が「滝川」だったから。

 「滝川」さんに「滝川」までの行き方を尋ねるのも気が引けるが、聞いてみる。

Me「滝川駅(←ここだけ強調したつもり)まで行くバスのバス停はすぐそこのあれですか?」

滝「あそこと、町役場の中にあります」

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 道路のお向かいに新十津川の町役場があった。そしてさっきのバス停の待合室には不審者がいた。どう見ても同業者です本当にありがとうございました。旅先の駅と列車以外で同業者を見る機会があるとは。

 で、さっきのバスの時刻表を見たら、ちょうどいい時間に来るはずのバスは「学休日運行」と書いてあって、「学休日:3月25日〜」…ええと、今日は何日でしたっけ。

 その次のバスは40分くらいこないので絶望して、新十津川の町役場の中にあるというバス停に行ってみるとそこにも「新十津川町役場」なるバス停が。そしてさっきの不審者が後ろから尾行してきた。やっぱり同業者だろ。

 建物の前でたばこ吸ってた役場のおっさんに「滝川駅に行くバスはあそこですか」と聞くと、「役場のロビーの自販機の上に発車時刻が出るからそこで待ってたらいい」などと言われた。ロビーに行ったら本当にコカコーラの自販機の上に「北海道中央バス滝新線・10時10分発 発車まであと5分」などと流れる電光掲示板があった。無駄にハイテクである。そしてさっきの同業者は駐車場内のあのバス停で立っていた。

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↑便利な自動販売機

 始発だったのでバスが結構早く来た、というわけでバスに乗る。例の同業者とジモティー二人。

 歩いたら1時間以上かかるところだが、普通に行ったら10分ほどで到着。そして運賃は220円。

 北海道中央バスはなんと滝川の駅前にバスターミナルのビルを自前で作ってることが判明。すげえ。流石モータリゼーションの最前線(なんだその呼び方)。

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 早くついたのはいいが、次の普通列車は11時53分(あと一時間くらいあと)まできません。なんということでしょう。仕方ないので駅そばに入ってみる。しかし駅そばなんて5分で食べ終わってしまうのでそのままドコモショップへ(またか)行けないかと思って駅員に聞いてみた。

私「ドコモショップはどこですか」 

駅「(地図を指さして)駅から2kmくらい離れたここらへんですかね…以前はここらへん(駅前)にあったんだけども」

 ドコモショップに見放された滝川。そして三月下旬なのに吹雪、路面は凍結していた。流石は北海道。そうそう、JR北海道の駅には必ず、トイレにトイレットペーパーが設置されていないので北海道に旅行する方はくれぐれも気をつけましょう。そしてこの筆者がわざわざ太字で書くんだからどういう事態に陥ったのかは想像に難くないでしょう。

 あまりに暇すぎたので、駅前のとても寂れている商業施設に入る。ここに入るだけでも、吹雪のために床が凍った地下道をひやひやしながら歩かなきゃいけない。

 その商業施設の入り口には、こう書いてあった。

 「滝川市青少年の健全な青少年育成条例に基づき、18才未満の午前11時以前の立ち入りを禁じます。

 え……?冗談ですよね?いくらなんでも厳しすぎやしないか。

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 留萌本線に乗るために深川へ向かうと、そこでまた一時間近く待たされる。北海道の普通列車同士のダイヤのかみ合ってなさはやばい。

 深川駅からドコモショップに行こうとすると駅員に地図を渡された。徒歩五分くらいらしい。「キター」とあの顔文字を出しながら書きたいところを自重して、行ってみる。

「待ち時間0分」

 ……どうみてもおばちゃんが二人くらい暇を潰している。待ち時間0分ならこいつらは本当に暇つぶしなんだろうねと思って受付が開いた瞬間…

 だっだっだっだ

店員「こちらのお客様が先にまってましたので…」

滑り込もうとしたら店員に阻止されて結局20分くらい待たされるようです。何なんだよこの店。茶髪のねーちゃんしかいねえし。

わたくし「N903iの充電機のホルダーがほしいんですけど」

ねーちゃん「在庫がありません(即答)」

 二年も前の機種の充電機があるわけねえだろって感じの口調で答えないでくれ。

 あと、こういう地方で駅前商店街があるっていうのが驚きだけど、なんと、ゲーセンとネットカフェがあるではないか。

 入ってみようとすると……なぜか止められているエスカレーターを登った先には、昼間だというのに営業していないゲーセンが存在した。ああ、なんとさびしいことか。

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 ここから目的の留萌(るもい)本線に乗る。

 さて君は「北一已」(きたいちやん)という駅名が読めるかなと問いたいが、そんなことよりガラナを飲もう(え)。途中で大量に降りて行った深川東高校と書かれたカバンを持った生徒が全員丸刈りであった。北海道って未だに丸刈り強制なのか?

 ひたすら雪原があった印象しかないまま、終点に到着。

 よくネタにされる(?)「増毛(ましけ)」は無人駅であった。国鉄は半家(はげ)駅から増毛(ましけ)駅までの記念切符を売ったら売れるんじゃないだろうか(by種村直樹)。

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 そして半家でオバハン一人がそのまま折り返すらしい。今話題の鉄子とやらなのか知らないけど、オバハンの同業者なんていたのか。鉄道趣味業界における人口は男女比は100対1とも1万対1ともいわれているが…、いくら貴重だからってどう考えても定年過ぎたオバハンはストライクゾーン外です><

200903241449s.jpg(36951 byte)←増毛は無人駅なのにそば屋はあるらしい。
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 留萌からやってきた割と若いおねいさんが「恵比島駅」にあった「明日萌(あしもい)駅」(昔のNHK連続テレビ小説の舞台。この駅で撮影していたらしい)の看板を撮影していた。(ところで『すずらん』って何年前のドラマでしたっけ?)やっぱり鉄子とやらは増えてるんでしょうか。増えてると言っても鉄研部員がモテようになったとかそういった話は一切聞かないけど。付け加えて言えば、私は彼女いない歴と年齢を同一にしている。

 深川から旭川までほんの数駅なのに普通列車が全くこないので特急に乗るはめになる。スーパーホワイトアロー改めスーパーカムイ。新型の方が来たから別にいいが、どうして車両を置き換えたからって名前を変えたのかは不明。

 普通に札幌に帰ればいいのにと思ったあなた、ある意味正しい(※深川から見て旭川は札幌の反対側)。しかし、この作者はひねくれ者なのか、「どうせ時間あるんだし富良野線に乗ってこうぜ!!」と思ったらしい。これから夜だってのに。ラベンダーなんか咲いてないってのに。

 旭川で吹雪の中ドコモショップに行って、やっぱり充電スタンドは売ってなくて撃沈し帰ってくる。旭川駅前のビルにあった気温計によるとマイナス2度。寒い。丸井今井とかいう名前はマルイのパクリでロゴがモスバーガーにしか見えない百貨店は、倒産したはずなのに営業してた(※結局この年の夏に閉店したらしいけど)。そごうクオリティってやつか。

200903241812s.jpg(33337 byte)←驚異の氷点下

 食事の金に糸目をつけないようにしようぜ!などとさっき書いた気がするが、もともと晩飯だけはまともなものを食べようと心掛けているので駅弁コーナーに向かう。そこにあったのは「北海道玉手箱」と「ふらのとんとろ丼」の2択。北海道と言えば豚肉の生産量が…えっと何位だっけ…。まあいいや、結構上位だったような気がするので(あれ北海道で盛んなのは牛だけだったかな)とんとろをチョイス。ラベンダーのイメージの富良野に豚って合わないだろなんていうことはこの際どうでもいい。

 ところでキオスクの前に、こういうことが書いてあったんですよ

 「ワールドベースボールクラシック 日本連覇!!」

 ああ、三年前は決勝戦を最初から最後まで見ていたというのに今年は一秒も見ずに終わってた…。

 そんなことより旭川の六・七番線だけ異常に遠いことの方が問題だ。なんでここだけこんなにホームが離れてるんでしょうね。

 とんとろ弁当に温泉卵まで入っていてうめえとか思いながら時刻表を繰っていると、時刻の下の駅弁一覧みたいなところに「富良野駅…ふらのとんとろ丼(6月〜8月のみ)」と書いてある。そして本来は旭川では売っていないらしい。あれ・・・。季節はずれなうえに場所まで違うのがどうして売っていたんだろう…?

 すっかり暗くなったところで富良野到着。駅窓口は営業してない。こんな時間に観光できるはずもないし季節が違う。何もないところで一時間近く待つことに関して耐性がついたので気にならない。鉄研ってこええ。

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 素直に折り返せばいいのにこっちの方が速そうだからと根室本線の滝川方面へ向かう(乗りつぶしも兼ねていると思いたい)。根室本線は滝川〜釧路〜根室なのだが、石勝線開通以来滝川〜新得が寂れてしまって、今となっては実態に合ってない路線区分である。同様に室蘭本線も函館本線も(以下略)。

 次の滝川行きはなんと無駄に快速列車である。こんなさびれた区間なんだから全駅に停車しようと変わらない気がするんだけど(ぉぃ。

 無駄に快速なお陰で普通列車より10分くらい速く滝川に到着して、そそくさと岩見沢行きに乗り換えると…車内放送が。

「只今、当駅で接続予定だった特急列車がシカと衝突したため遅れております。そのため、この列車が岩見沢まで先行いたします。特急列車ご利用のお客様は岩見沢駅でお乗り換えください。」

 流石北海道だ(←この表現何度目だ)。東京じゃ絶対あり得ない。いや、鹿せんべいの聖地こと奈良県でもあり得ないだろう。

 岩見沢で普通に札幌行きに接続するのか気になったがどうやら普通に接続してくれたので札幌に帰ることができた(っていうか帰れなかったら野宿→凍死っていう可能性があったけど)。北海道において、すべての鉄路は札幌に通ず。今日も札幌宿泊である。

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