ちょっとJR完乗してくる・最終章 六日目
2009年3月25日 十勝つくちて

 おはようございます。今度の、1番線の、列車は、(以下略)。ぐだぐだ言ってないで始めましょう。

札幌6:35―(函館本線)―8:16滝川9:37―(根室本線)―12:46新得13:56―(とかち6号)―15:04新夕張15:43―(石勝線夕張支線)―16:11夕張16:19―(石勝線)―18:17南千歳19:02―(千歳線)―19:21苫小牧19:45―(室蘭本線)―21:10岩見沢21:31―(函館本線)―22:13札幌

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 滝川まで寝て過ごし、また昨日やってきた滝川に来た。例によって今日も吹雪いていた。北海道半端ねえ。

ジモティーA「今日はひどい天気ですねえ…」

ジモティーB「そうやね」

 三月下旬に吹雪くのは北海道ではよくあることなのだと思っていたが、実は地元民にとっても酷い天気らしい。

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↑三月下旬なんですけど、ここ本当に日本ですか?

 これから乗る根室本線の列車はあることで有名。ご存じであろうか。時刻表を見てみよう。2429Dとかいう列車である。出発は滝川駅9時37分。行き先は釧路、到着時刻は17時38分。つまり、滝川から釧路まで8時間以上かけて走行する、現在日本一長い距離を行く普通列車なのである。

 釧路まで乗りとおすやつなんているのかって?いるんだな、これが。そう、(もちろん)同業者がいっぱい。ローカル線だけじゃなくこんなところ(※一応主要幹線)にまで同業者がいっぱいいるんですね。いやー、乗りつぶしがかかってなければ、8時間同じ列車に乗車して、精神状態がどうおかしくなるかという人体実験に協力してやってもいいんですがねえ…。

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 富良野までは昨日乗った区間だったりするので省略(おい)。富良野で20分停車なんてしていたが何の意味があったんやら。

 次の駅まで10分近く止まらないからと言って発狂しないように。『鉄道員』の撮影が行われた幾寅駅で同業者一名が駅名票を記念撮影。鉄道員の舞台を知ってるとはやっぱり同業者だろうな。

 落合で対向列車待ち合わせのため15分停車。利用者なんていないのに誰が得するんだよと思ったら車外に出て一服してる同業者発見。え?同業者が一体何人いるんだって? 

 落合を出てから新得までが本番らしく、27キロの駅間を23分かけて走る。「は・じ・き」で表定速度を計算しようとした君は日能研生。この区間の表定速度(※停車時間も含めた列車の平均速度)は60kmを超えている。あれ意外と速いぞこの列車。東京メトロ銀座線の評定速度なんて24km/hくらいしかないのに

 何があるのかよくわからないが交通の要衝となっている新得。数日前、東室蘭で購入した駅そばの本に「新得町はソバの生産高が日本一なんだから新得駅の駅そばはうまい」と書いてあったので、そのそばを食べてみることにする。

 メニューを見る、

「ここは北九州か!!」

とツッコミたくなってしまった。「かしわそば」などと書いてあるもんだから。かしわそばと言えば北九州市の小倉とか折尾とかに売っている鶏肉入りのそばなわけだが、そもそも北海道に鶏肉というイメージがない。「焼き鳥」という名の豚肉を売ってる北海道だからひょっとしたら豚肉かもしれないと思って注文。

おばちゃん「おまちどー」

 どう見ても鶏肉です。本当にありがとうございました。鶏肉に見せかけた豚肉なのではないかという可能性もあったので食べてみた。やっぱり鶏肉だった。

 駅前のバス停には「3月27日始発より24時間ストライキ決行!」などという看板が立っていた。いまどきストやっていいのは国鉄千葉動力者労働組合だけだって…。そうそう、小沢一郎の献金事件で東京地検に事情聴取されそうになった民主党石川氏のポスターが貼ってあった。そういえば自民党の中川(酒で辞任したほう)の対抗馬って聞いたから、ここが地元なんだなあ……。

 ※なお、この後この石川という衆議院議員が逮捕されるなどとはつゆほども思っていないのであった

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 ここから新夕張まで、なんと、1本も普通列車が存在しないので特急を使わざるを得なくなる。え?北東パスで特急に乗れるのかって?なんと特例として新得〜新夕張の間は特急料金不要で特急に乗れるのである。しかしその区間を超えて、たとえば新得から南千歳まで行ったら全区間の運賃特急料金が請求されるというのだから世の中理不尽である。不条理というべきか。限界状況か(←ヒロシマノートの影響)。

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 とかち号は古い特急だったらしく(かといって国鉄色の車両を想像してもらっては困るのだが)、列車電話なる過去の遺物が置いてあった。しかも使えるらしい。「この電話は自動車電話のシステムを用いているため、電波の届かないトンネル内では使えません」…自動車電話って言われて何かを思い出せる人はもう二十歳超えてるでしょ…。

 途中に「トマム」という駅がある。近くのトマムリゾートにちなんで名付けたのかな、じゃあトマムって何だろうと思ってたら、住所が「占冠村中苫鵡(しむかっぷむら・なかとまむ)」だったかららしい。流石北海道、地名が無駄にかっこいいぜ。

 新夕張ではじいさん一人が一緒に降りた。他に降りた客がいるように見えないので降りたのはこのじいさんと二人しかいないらしい。

 新夕張は有人駅であった。まあ特急の止まる駅でもどんどん無人駅化していくのはJR四国だけか。二人のために窓口を開けてると思うと虚しくなるのだが、なんとキオスクも立っていた。伝説の新幹線駅・安中榛名を見捨てたキオスクはこんなところにまだ残っていたらしい。駅周辺の山は禿げていた。流石は炭鉱の街夕張。

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 夕張市を支援しようぜと思って夕張メロンキャラメルを購入(どの程度貢献したかは不明)。さっきのじいさんはずっと駅に溜っている。

じ「次の夕張行きは折り返して夕張から千歳行きになるんですよね?」
駅「はいそうです」

 案の定同業者だった。こういう変な部活に四年もいると同業者を見抜く力がつくらしい。本当に要らないスキルである。

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 新夕張駅は、もともと追分から夕張まで行く路線(夕張線)の途中に合った紅葉山駅を、石勝線開通時に路線ごと廃止して移動して名前を変更したものらしい。

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↑夕張市では一般ごみの収集ですら有料になったらしい。厳しいねえ。

 新夕張駅オリジナルオレンジカード(←そういえば今時の小学生はオレンジカードって知ってるの?)が売っていたのだが「楓駅オレカ」なんぞいうものを発見。楓駅はかつて新夕張の隣にあって、「列車が一日一本、しかも楓始発新夕張行き(休日運休)」という伝説で有名だったけど2004年にとうとう廃止された。

 二枚セットだったので買おうかどうか迷ってるうちに窓口が閉まってしまった(ん?しまってしまった?)。午後三時半で営業終了。北海道ではよくあること。

 夕張支線の沿線は意外と建物が多かったりするが、半世紀で人口が十分の一になった夕張市のことなのでひょっとしてひょっとすると全部廃墟の可能性もあるのが中々怖い。

 終点夕張は当然無人…なのだが…

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↑これが夕張駅の駅舎である



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ででえええええええええええええええええええええええええええええん

 …という擬態語を発してそうなくらいでかいホテルが駅前に立っていた。圧倒的である。駅舎はやたら狭いのに。そりゃ夕張市も破産するわ。しかも、駅前に立っていたバス停によると…「ホテルマウントレースイ前」、つまりこのホテルの名前は「冷水山」というらしい(嘘)。名前がださいって次元じゃねえぞ。

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 折り返し新夕張方面の列車は千歳行き。特急銀座のこの区間までよくもまあ夕張からわざわざ直通させるなと思う。

 寝て起きたら追分だったが(書くの面倒だからって略しすぎだぞこの作者)この列車なんと、追分で20分停車するらしい。あと一駅なのに…。しかもサボを「追分→千歳」に入れ替えていた。わざわざそんなことしなくても。

 追分から南千歳まで20分、しかも途中の信号所で特急に追い越される。さっきの追分での長時間停車で追い越しできなかったんかい。


 終点・千歳まで乗りとおしても大して変わらない気がするのだが、南千歳で下車。確か駅前にショッピングセンターがあってその中にローソンがあったよなと北海道合宿の時のことを思いながらそこに向かう。


「当ショッピングセンターは、本日は午後七時までの営業となっております。閉店までゆっくり買い物をしてください」

 なんと閉店間際であった。ローソンくらいもっと遅くやってていいだろと思って入ったらなんとまだ7時だというのに閉店準備を始めていた。やる気を感じられねえ。そしてやっぱりガラナと言ったらキリンガラナ。うめえ。

 そのまま札幌に戻りたいところだが、今日はまだ時間があるので(またか)、室蘭本線の微妙な区間に乗る。具体的に言うと、苫小牧から岩見沢のことなのだが、何を血迷ったか、室蘭本線は札幌につながっていなかったため、千歳線にその特急街道の座を奪われ、苫小牧から岩見沢が無用の長物と化してしまったのだ。今となっては実態に合ってない路線区分である。同様に根室本線も函館本線も(以下略)。(←デジャブ)

 何を思ったか北海道版Suicaことkitacaを購入してみるが北東パスは当然あるのでたぶん二度とつかわなそうである。

 苫小牧までオールロングシートの列車が来た。萎える。苫小牧はkitaca導入駅の最南端であるが非常にどうでもいい。

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 二両編成のワンマン(北海道名物・前乗り前降り)だったのだが、前の車両はやたら混んでいるのに後ろの車両には誰も乗っていない。これはひどい。二両編成で前の車両の扉しか開かないワンマンカーなんていくらでも乗ったことあるけどここまで露骨なのを初めて見た。

 栗なんとかという駅が何故か三連続していた以外は見るものがない。そらそうだ、すっかり夜だし。

 そしてまた札幌に戻ってきたわけであるが、「お前また札幌に泊まるのか?」いいえ、ケフィアです…じゃなくて、今回は文明の利器もとい小泉構造改革の遺産(?)の高速バスである。と言いたいがいわゆる格安ツアーバスじゃないのでたぶん小泉関係ない。

 このバスは札幌大通沿いにある「大通りバスセンター」発着らしい。一年前に同じバスに乗った某鉄研部員によれば、当時は「札幌センチュリーロイヤルホテル」発着というわけのわからないバスだったらしい。「札幌センチュリーロイヤルホテル」は札幌の駅前に堂々と君臨していたので実はそっちの方がアクセスよかったんじゃねえの。つべこべ言わずに歩きましょう。

 JR時刻表によると札幌市営地下鉄東豊線のバスセンター前駅の利用が推奨されているみたいだけども、たった二駅に200円も払う札幌市営地下鉄の運賃がバカらしいので歩く。

 創成川通りを南に向かってひたすら歩くとバスセンターがあるらしい。雪が降っている。流石北海道なんて言う余裕もないくらい寒い。

 札幌の信号はどういうわけか歩・車分離式、つまり渋谷のハチ公口の大スクランブルとか新宿西口大ガードみたいな状態になっている。これの欠点は歩行者の待ち時間が異様に長いことだと思うのだけど、なんでか知らないが、次の信号まで普通に歩くとちょうど変わる。そしてかなり待たされる!というわけで信号に接近するたびに走らないといけないらしい。やばい。しかも碁盤の目なのでかなり頻繁に信号にぶつかる。時間に余裕があるはずなのに気がついたらバスセンターまでキャリーバックをガラガラガラガラ言わせながら猛ダッシュ。なんとかしてくれ札幌市、いやこういうのって警察の管轄だったか。

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 宗谷バスのカウンターで6000円を払い(なんと電話予約だけして代金払ってなかった)、事前予約していた座席は1号車などと書いてあった。なぜかバスは2台やってきた。しかしその割に1号車はガラガラだった。二台もいらないんじゃねえのか?

 ここの宗谷バスとやらは無駄にサービスが利いているらしく、

運転手「稚内市内でタクシーをおよびの方!」
客A「ダイコク三丁目!」

 非・ジモティーにはよくわからんシステムだ。

 さて寝ようか。

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