バスを運行している宗谷バスは東急系列なので東急バスの車内放送と同じ音声による自動放送が流れる。というわけで、おはようございます。地元の東急バスの音声で叩き起こされる日が来るとは思いませんでした。
「これより先、稚内市内の国道沿いの各停留所に停車いたします。 次は朝日一丁目 お降りの方はブザーを押してください」
何この無駄なサービス。そして大黒(だいこく)三丁目でさっきのおっさん(前日の旅行記参照)が降りて行った。
「次は、南駅前」
…ええと、これは南稚内の駅前ってことでいいんだよね……。「(稚内)駅前の南」じゃないよね……?スルーしてもいいんだよね……??
しばらくして
「次は、駅前」
俺の時代がキターーーーーーーーなどと意味不明なことを考えながらブザーを押す。高速バスにブザーとか、高速バスらしくねえ。
窓を見ながらいつバス停に着くのかを見守るが、外は猛烈な吹雪なので何がなんだかよくわからない。テキトーに前の方の席に移動しながら(なんとこのバスは自由席)前を見ていたが、何しろ前の方何列かは女性専用席らしいので座らなかった。女性専用車は痴漢防止のためにあるらしいけどこの席は一体何のため……?
運ちゃん「……着きましたけど」
女性専用席とやらのせいで気づきませんでしたぜ。というわけで女性専用席撤廃しろ。
信号待ちと停留所の区別がつかないという素晴らしい吹雪。ていうかどうしてほかの乗客はここで降りないんだろう。
降りて荷物(キャリーバック)を出そうとトランクを開けたら…運ちゃんが飛んできた。
運ちゃん「あけるなら言ってくれよぉ」
お客様は神様ですって習いませんでしたか?(←接客する側の意識はこうあるべきだというものであって、決して客のセリフではいのだが)
運ちゃん「荷物札は?」
俺「そんなのもらってませんけど」
運ちゃん「あれ〜」
いつ渡したんだよ。
いろいろ不愉快すぎたのでさっさと駅に入ろうとしたら
……。只今時刻は5時30分。外は猛吹雪。すると二号車からそれっぽい雰囲気のおっさん(三十歳くらい)が降りてきた。また同業者か。
同業者が「駅前食堂」とやらの前に立っているとそこのおばちゃんが同業者に話しかけ……
「駅の待合室しばらく開かんからそこの宗谷バスの待合室で待ってたら(大意)」
何で同業者に話しかけてもう一人は無視するんだろうね。しょぼーん。
宗谷バスのターミナルなんてどこにあるんだと思ってたら、さっきのバス停の前に建っていた。ちなみにこのエリアには「民宿・さいはて」などという看板も。流石は日本最北端の駅である。
駅から歩き、建物でまったり。繰り返すが外は猛吹雪。ターミナルには「トランクに荷物を預ける場合は受付で荷物札を(以下略)」おい、札幌ターミナルにそんなことは書いてなかったぞ。
「浜頓別高校行き」の高速バス(高速道路なんかないけど)がやってきた。ずいぶんと贅沢な通学をするんだな、ここの学生は。まあ浜頓別まで果てしなく遠いんですけどね(国鉄天北線が残っていた時代には南稚内から87.4kmだったそうだ)。
旭川行きのバスなんぞいうのがやってきた。宗谷本線などなければさっさとこいつに乗って旭川まで行っていたかもしれないけど、宗谷本線がなければそもそも稚内何かに来ないわけでして。
5時50分になったので駅に向かう。なんと駅そばはもう営業している。早い。ぶっちゃけマジで半端ねえ。
ここの駅そばではなんと、コーヒーが売っている。稚内は日本で最初にコーヒーが飲まれた町なんだそうで。へえ。ひょっとしてコーヒーの中にそばを入れたらおいしいんじゃね?と思ったけどコーヒー一杯200円(セルフサービス)とられるらしい。普通に飲もう。
駅そばのおばちゃん「今日はひどい天気ですねえ…」
ジモティー「そうやね」
ちなみに駅構内には、「日本最北端の宝くじ売り場(※キオスク)」と「ロシア語の案内」が書いてあった。そんなことするから北方領土がロシアに乗っ取られたままなんだろうがよ(何)。
稚内6:24―(宗谷本線)―8:40音威子府9:20―(宗谷本線)―10:21名寄11:06―(宗谷本線)―12:55旭川??:??―(旭川市営バス)―??:??旭山動物園??:??―(旭川市営バス)―??:??旭川??:??―(函館本線)―??:??―(函館本線)―??:??札幌
三月下旬に吹雪くのは北海道ではよくあることなのだと思っていたが実は地元民にとっても酷い天気らしい。寒いってレベルじゃねーぞ。って昨日も書いたような……?
名寄行き(音威子府で列車番号は変わるんだけどなあ)の改札は発車の三分前に始まった。そして、当然のことながらホームも吹雪いている。ごごごごごごごごごごごごごご。
もう吹雪の中つっぱしる宗谷本線マジぱねえっすと言いたいところだが列車内から吹雪は確認できぬ。うぬう。
豊富(とよとみ)とかいうとても縁起の良い名前の駅についたあたりで早くもかったるくなってきたので、時刻表の路線図をみた。(君もJR時刻表かJTB時刻表の索引地図を見てみよう!)
なんじゃこりゃああああっ?
ええっと…、気が動転しそうだ。なんだこれ。旭川どころか音威子府すらはるかかなたに見える。もう一度言おう、なんだこれ。
稚内から豊富まで43km、稚内から旭川まで259km、「まだ大体六分の一くらい」とか計算しちゃだめだぞ、絶対だぞ!
で、かったるくなりながら音威子府到着。ここでは特急の通過待ちのため40分停車するなどと言っているが時刻表を見ると列車番号が変わってるから不思議だ。
ところで今まで普通に「音威子府」などと書いてきたが、実はこれ北海道の難読駅名としてかなり定番。読めるでしょうか?正解は「おといねっぷ」、「子」は「ねずみ年」の「子」だから「ね」と読めるらしいが相当こじつけた当て字だなと思う。もう少しまともな当て字はなかったのか。
東室蘭で買った本に(またか)「音威子府の駅そばは日本一うまいので、自動車で旅行中に乗り付けてくる人もいる」だなんて書いてあったため、これは食べるしかないと思って、稚内で駅そばを食べたことも忘れてわくわくしながら向かった。どうせ四十分停車だし。…あれ?
「営業時間:9時30分から16時」
列車が出発した後に開店かよ…。
絶望したので列車に戻って、ガラナを飲み、寝始める。さてこの旅行中ガラナを何本買ったかな。
「お客さん、終点ですよ」
10年くらい前に流れたハイサワーのCMの「お客さーん終点ですよー」なんて覚えてる方がいるとは思えないが、あのCMと違って本当に終点だったのである。
この駅で昼飯にしようかと思ってみるも已め(絶対字が違う)、ガラナ飲み過ぎたなと思って「うらら」を購入。北海道キオスク限定130円。安いっ!JR東日本エリア限定の「朝の茶事」(140円)よりも安い。素晴らしい。
またしばらく宗谷本線に揺られること数時間、そういえば今日の乗りつぶしは昼までに終わるので実は楽だったりするんだよなと思いながらこんな駅が出てきた
「ぴっぷ」
「エレキ●ン…?」と思った方、ある意味正しい。「ピップエレキバ●」のCMを撮影したことで有名な(?)「比布」駅である。北海道の駅名は読みづらくて嫌ですねぇ(何を今さら)。しかもこの比布、南北にそれぞれ「南比布駅」と「北比布駅」があるという…。
蘭留(読み方はそのまま「らんる」)や東六号(地下鉄の名前か何かだろこれ)などの駅名を通り過ぎたら終点旭川である。いやあ実に北海道の地名は独特ですね。
これから、札幌まで果てしなく時間が余っているので旭山動物園へ。ちなみにバス代は400円、高い!
送迎バスなんかなく、ふつうの路線バスなので30分に一本くらいしか来ない。
そもそも午後なんかに旭山動物園に行く人がいるとは思えないのだが乗客は結構いた。
標準所要時間40分のはずなのに30分ほどで走ってしまった。これって途中のバス停からの乗客が困らないのか?電車でGO!をやりながら「早通早着はサービスだ!」と主張してるOBの方がいた気がするけど早発はサービスって言わんでしょう。
こっから動物園での行動をこと細かに記すとあと10KBくらい増える気がするので別ページにでもそのうちで(コラ)。
さて閉園時刻になったのでバスに急いで戻る。超満員だった上に全員旭川駅まで乗るというすばらしい状態だったためなんか途中のバス停に乗客がいても無視して通過。お陰でまた30分以内で到着)。繰り返すが、標準所要時間は40分。飛ばしすぎでしょ。マッハGoGoGoもびっくりだ。そして、旭川駅前行きのはずなのに旭川駅の手前の、違う名前のバス停で下される。ちゃんと駅前まで運べ。
帰ってきたはいいが、なんといきなり1時間半も札幌方面の普通列車が来ないので、待ちぼうけ。待合室で『サンデー毎日』を読みながら時間をつぶす羽目に。我らが鉄研OBの方が「東大合格者実名アンケート」とやらに回答しているらしいので見てみたら、本当にいた。「今のニッポンに一言!」とかいう設問の回答がかっこよすぎて思わず吹きだした。
「オレがなんとかする!!」
一度言ってみたいわ。
岩見沢で乗り換えという定番パターンで札幌に(いったい何回目だ)。日の宿は「え?また高速バスか」って?はい、そうです(ぇ)。
まだ午後八時なので駅前のビックカメラの上にある札幌ラーメン共和国とやらに行ってラーメンをすする。要するにデパートの食堂街の一角に北海道中のうまいラーメン屋が集まっているというシステムの店である。函館や旭川はもちろん、美深ラーメン(駅名は「びふか」なのだが店名は歴史的経緯で「ぴうか」と読ませるらしい。ちなみにこの美深からは昔美幸線という路線があって、「日本一の赤字路線・美幸線に乗って美深高原にいこう」というキャンペーンを実施していたらしいが虚しく廃止になったそうな。)などというマイナーすぎるラーメンまで売っていた。
札幌に来たわけだから札幌ラーメン食うだろ常識的に考えて。サッポロ一番とやらのお陰で札幌と言ったら味噌だろってことで何件かあった札幌ラーメンの店のうち、みそラーメンが安い方の店に入る(こら)。で、みそラーメンを頼もうと思ったが何故かメニュー表の一番下のを見てそっちを注文。
「とんとろチャーシューみそラーメンください」
俺は何のために安い店にしたんだよ、おい!!!
「お会計1050円になりまーす」
チャーシューを二枚くらい増やしただけで200円〜300円も増えるから不思議である。PHP文庫のとある雑学系の本によれば、「ラーメンの原価は麺とスープだけなら60円くらい」だそうで。儲かりまっか?
年甲斐もなくポケモンセンターサッポロ(同じビルに入ってる)を視察してみたり、ゲーセンで某クイズゲームをやろうかと思ったらカードを忘れたことに気づいたりといろいろやらかし、さらには暇なのでまんが喫茶なんかに入り(どういうわけか足湯が設置してあった)時間をつぶす。
やることはもちろん唯一つ。乗りつぶしオンラインにこの旅行でのデータを入れるだけだ。
札幌時計台を見て「流石は日本三大がっかりだぜ!」などと考えたりしながら
中央バスターミナルへと向かう。ちなみに場所はどこかというと昨日の「大通りバスセンター」の隣になぜか北海道中央バスという会社が自前のターミナルを作ったというわけわかなところで、そのせいなのか今では大通バスセンターの建物内に停車するバスは昨日乗った稚内行のバスだけになってるらしい。
今日乗るバスは荷物札なんぞいうシステムもブザーもないらしい。万歳。
どういう風の吹きまわしかバスが3両も止まっていた。すげえ。急行まりも(札幌〜釧路の夜行急行)は廃止になったのに何この大盛況っぷり。