ちょっとJR完乗してきた 2日目
2009年03月28日 普通に観光してみること

 結局昨日はそのままチサンインホテルに泊まることにした。

 朝一番の列車に乗れば帰れるんじゃないかと一瞬思いましたが、元の計画を見てみましょう

…―(急行はまなす)―5:39青森6:10―(東北本線)―8:16八戸8:52―(青い森鉄道・IGR線)―10:54盛岡11:33―(東北本線)―12:23北上12:31―(東北本線)―13:21一ノ関13:54―(東北本線)―15:37仙台16:03―(東北本線)―17:16福島17:24―(東北本線)―19:17黒磯19:31―(東北本線)―20:21宇都宮20:24―(東北本線)―22:08上野

 青森から東京まで16時間くらいかかるんですよね、普通列車で行くと。増してやここは札幌。どう考えても途中で列車が無くなってしまうだろう(札幌から函館までは特急ですら三時間もかかるような距離なのだ)。

 ということで、はまなす号に乗って帰ることにする。

 では、はまなす号の出発(22時くらい)まで何してよう。今では乗りつぶすJR線もなくなってしまった。いくらなんでも私鉄完乗まではやる気がしないので、地下鉄に一日中乗り回そうとも思わない(それでも時間余りそうだが)。

 どうするか。ある考えが頭に浮かんだ。

普通に観光っぽいことすればいいんじゃね?

 完全に思考回路が一般人とかけ離れている。観光してろよ俺。

 だがしかし、札幌って何があるんだ?日本三大がっかりの一つである札幌時計台と……あれ?なにもなくね?札幌タワーとかいう東京タワーの劣化を見てどうするんだろ。大通り公園というのもあるらしいが、明らかにあそこを歩いてもつまらなそうだ。

 ここであることを思いつく。腹が減っては戦が出来ぬ。朝飯買ってこよう。

 北海道らしい朝食にしようと思って、とりあえず、北海道にしかない(と思ったら北関東にもある)セイコーマートというコンビニに入ることにした。

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 「ちくわパン わさびマヨネーズ味」

 何だろう、これ……。

 私の友人にどういうわけだか「わさび」という言葉が好きなのがいる。その弟はなぜかちくわという言葉が好きで「さくら(独唱)」の替え歌「ちくわ(独唱)」なるものをうたっていたのもいる。この商品はその兄弟を目当てに作ったのではないだろうか……?

 んなわけねーよな。余りに気になるので買うことにした。他にもセイコーマートには、「カラスミパン」等の怪しいパンがたくさん売っていた。北海道に行ったら一度くらいはセイコーマートに行くことを推奨する。

 パン一個を食べたくらいでは観光になるまい(そらそうだ)。とりあえず地下鉄の駅に向かう。

 どこへ行くわけでもなく運賃表を見て、こんなものを見つける。

 「大通駅から札幌市電」

 ……乗っちゃうか。

 大通駅から「西四丁目」停留所まで歩けるらしく、連絡切符も売っているくらいなのだが、実際どれくらい歩くのかなあと思ってみたら、すぐ目の前だった。停留所名を変えたほうがいいんじゃ・・・・

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 西四丁目停留所は始発駅である。乗客は他に地元民数人。案の定誰も使ってない。

 とりあえず、終点まで乗ることにした。途中で降りても何もなさそうだし。で、この列車の終点はすすきの。あの歓楽街で有名なすすき野であるが、実は地下鉄だと大通駅の隣にある。そう、札幌市電は地下鉄だと一駅分の距離をものすごおおく遠回りして結んでいるのだ。しかも環状線じゃない。あちこちに広がっていた札幌市電の路線網をぶつぶつ廃止した結果、この中途半端な区間が残ったというわけだ。400メートルしか離れてないらしいし、環状線にしちゃえばいいのに……。道路が一部分だけせまくなるからきついのかなこういうの。

 かつての日本一長い駅名「西線9条旭山公園通(にしせんくじょうあさひやまこうえんどおり)」を通過してテンションが上がるが、それ以外に特に書くことはない。あと「西線」っていうけど一路線しかないよね、ここ。

 終点のすすきのに到着した。いくら歓楽街とは言え、高校生の行くような店があるわけないし、大体昼間だからいかがわしいお店もやってないだろう。さまようこと数分、西四丁目駅に到着した。ああ、確かに徒歩数分の距離だわ。

 なぜかドンキホーテに入ったが特に何も買わずに出る。ドコモショップを見つけたので、携帯を充電しようかと思って入る。

おれ「電池パックだけで充電してくれ」
店員「当店にはN903iがないので充電できません」

 大意を要約するとこんな感じ。あと(当然ながら?)充電スタンドも売ってないそうだ。

 昼食までは時間がある。よし、情報収集だ。なぜかネットカフェに入った。

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 この店、大阪で入ったところの系列なんじゃないかと思うのだが、大阪と違って会員証の提示を求められなかった。(まあ似たような名前で似たような看板のネットカフェは全国にあるんですけどね)

 札幌市内の観光名所を調べ、「羊が丘」という場所があることを突き止めるがアクセスがとてもめんどくさいことを理由に却下し、せっかくの北海道東日本パスを生かす方法を考えた。

 そうだ、小樽、行こう。

 とその前に。札幌らしい昼飯を取ろうと思うので、スープカレーの店について調べることにした。ここはすすき野、スープカレーの店くらいどっかにあんだろ。

 なんか気づいたら三時間以上も長いしていたが、東京のネカフェよりはるかに安いんだからしょうがない

 すすき野の町にやってきて、テキトーに調べたその店のありかを探すが……ない。

 しょうがないので「スープカレー」の看板のある店を適当に探して適当に入って適当に食べることにした。うん。

 すすき野で吉野家の隣に松屋があるというシュールな光景を眺め、とりあえず札幌まで地下鉄で戻ることにする。サラっというけど市電よりも高いのよね、2駅しかないのに。

 札幌のコインロッカーにキャリーバッグを預け、(そういえばなんで今までキャリーバッグと一緒に路面電車に乗ったりネカフェ入ったりドンキに入ったりしたんだろう)、かと思えばお土産を入れ忘れたりしながら、入場。

 駆け込み乗車気味に小樽行き(快速エアポート)に乗車。小樽までは意外と遠い。そろそろ夕方だったりしちゃう(15時30分)。

 小樽に来たからと言って、こんな時間に何かがあるわけでもない。とりあえず運河のほうに行くと歴史的建造物が見れるそうなので、てくてく歩いて行くと……タクシーの運転手に声をかけられた。写真を撮ってくれるらしい。

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 東京から来たことを告げると、午後三時になったら観光客向けの店のほとんどが閉まること、小樽に泊まる場所なんかないこと、タクシーの運ちゃんは写真家を目指して上京したが故郷に戻ってタクシーの運転手になったことを語ってくれた。ありがたいお話だったが、その一方で早く解放してくれと思ったころカップルがやってきて、同じく記念写真を撮るとか言い始めた。ということで私は港に向かった。

 運河には古い建造物がたくさん残っているらしい。煉瓦製(?)の倉庫とか積み石(?)の橋とか。公園として整備されていたが、何が何だかわかんね(こら)。

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 余りに暇だ。駅で貰った観光マップによると、自転車があれば効率的に回れるそうだが、こんな時間に来て自転車に乗りたくない。駅から至近の、「日銀小樽支店跡地(金融資料館)」に行くことにした。

 駅に戻る途中で、さっき記念写真を撮った「手宮線廃線跡」という場所に来た。ここは、遊歩道らしい。

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「ここでとまる必要はありません!(歴史的遺産)」とあるが、遮断機くらいは撤去したらどうなんでしょう。子供が遊んでるんですが……。

 ここは遊歩道らしい。金融資料館に行く最短ルートはこの遊歩道を歩くことらしいのですが。

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 これじゃ歩けねえだろって!

 線路があることがかろうじてわかったものの、どう見ても除雪した時に雪を集めるスペースとして活躍している模様。繰り返す、ここは遊歩道だ。

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 「自転車を含む車両の通行を禁じます」とあるが、こんなところに突っ込んでく自転車がいるわけねえって。

 仕方なく駅前商店街を経由しての遠回りを強いられた。

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 金融資料館。日銀の跡地をそのまま利用しているだけあって、動線が結構変なことになっていた気がするけどそんなことはどうでもいい。

 日銀小樽支店が出来た当初の小樽市内の模型とか、阪神淡路大震災の時に日銀はどうやって決済をしていたかみたいな展示とか(手書きで緊急なんとかかんどかという命令を書いていた)、一億円の札束の重さを再現したコーナーとかをみる。ふむふむ。一億円は思ったより軽かった。

 インターネットブースがあるみたいに書いてあるが、そんなものはなかった。どういうこっちゃ。

 入場無料だったので代金の元をとったなとかそういう感覚も一切なく出てくる。他に行くところなさそうだし、札幌に戻るか。

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 さて、札幌に戻っても特にすることはない。駅前をふらついていると、あたかも観光名所見たく「赤レンガ」と書いてある。せっかくだし行ってみる。

 北海道庁の敷地内にそれはあった。目の前の記念碑らしきものによると、「北海道旧庁舎」らしい。外国人が群がっていた。そして観光バスらしきものも止まっていたので、どうやら本当に観光名所らしい。

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↑「対話で北方四島返還を」って向こうが対話に応じなきゃ意味ないよね

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 すぐ近くの時計台にまた寄って、ああ、やっぱり日本三大がっかりだなと思い、セイコーマートでガラナ(多分これで最後)を補給し、なぜか大通公園に向かう。目的地は札幌タワー。日はすっかり暮れている。さっき散々東京タワーの劣化番だとか言ってたじゃないか、俺。

 ここの展望台に登ろうかと思ったが、如何せん高い。展望台ならJRタワーの上にもある。多分そっちのほうが高いんじゃないかなと思ったのでやめて、札幌駅のほうへもどる。

 夕食は二日前にも来た「札幌ラーメン共和国」に入り、その時は断念した「高いほうの札幌味噌ラーメン屋」に入る。

 夕食も終わったことだし、JRタワーの上のほうに行く……その前に、ちょっと用を足そう(大きいほう)。駅のトイレに入る。

 出すまで一つ忘れていた。JR北海道の駅には基本的に紙がないことを。OH!紙よ!まさかターミナル駅のトイレですらないとは……このまま味噌まみれで展望台に登るわけにもいかないので、駅ビルのトイレに入って拭く(結局ミソつけたまま歩いてんじゃねえか)。駅構内にはないけど駅ビルにはあるという矛盾。

 500円払って入る。よくよく考えたら一人でこんなとこに来るのは俺だけだろう。

 高いところから夜景を撮ろうとすると手ぶれする。下が都会なら尚更意味不明な写真が出来上がる。姨捨ですら大変だったんだから札幌ではこのありさまだ。

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 北海道一高い夜景を楽しんだところで、さあ暇だ。

 とりあえず三省堂に行き、本を買い、降りようとしたところで、なんか後ろから聞こえる。

 「メガネはずしてみろや、のび太みたいになってんだろ」

 誰の話してんだろう。こういう知的水準の低そうな方の会話は聞いてるだけでイライラする。

 「やいメガネデブ」

 「そこの青いの」

俺は多分青くないしそんな太ってない(と思いたい)。

 エスカレーターで降りている間ずっと聞こえて不気味だったので、下の階についてから足早に過ぎ去ろうとする。

「あ、意外と足はやいな」



……ひょっとして俺のことだったのか。何だったんだあのDQN。

 お土産を買い、21時30分くらいには札幌のホームに上がる。なんてったって、「北海道東日本パス」で乗れるのは自由席だけ。そう、早めに行っておいて良いにこしたことはないのだ。

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 なぜかはまなす号の乗車口には三十分も前から行列ができていた。そんなに座席争いはし烈なのか。早めに来ておいて良かった。

 これでいよいよ北海道ともおわかれだ。次はいつ来るのかわからない。ひょっとしたら二度と来ないかもしれない。

 自分は後24時間かけて家に帰るのだ。

 そして、その時、JR完乗の旅も終わりなのだ。家に帰るまでが遠足だ。

 さようなら北海道。また来る日まで。

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